カスケードの系譜
STYLE:IPA
ABV:6.0%
HOP:遠野産カスケード、遠野産クリスタル、遠野産ザーツ
遠野産ホップを100%使用したIPAです。
世界的に広く親しまれている代表品種カスケードと、カスケードを親に持つクリスタルを組み合わせました。
異なる個性を持ちながら同じ系譜に属する2つのホップが調和し、柑橘を思わせる爽やかな香りに青草のようなニュアンスが加わっています。温度の変化とともに香りが表情を変えていきます。ゆっくりお楽しみください。

3種のホップはいずれも遠野市で栽培し、ルプリンパウダーに加工したものを使用しています。今回はホップの系譜にも注目し、クリスタルの特徴を引き出しながら調和させました。過去にリリースしたTono Cascade IPAとはひと味違う香りをお楽しみいただけるはずです。
系譜に注目したのは、カスケードという偉大な品種を生み出したHaunold博士に敬意を込めたためです。博士は、GOOD HOPSの醸造長である村上の長年の研究仲間でもあります。連載している「博士のホップノート」でも、カスケードの育種の経緯が紹介されています。華々しいデビューではありませんでしたが、その後のクラフトビール人気を支えた原動力となった品種と言っても過言ではありません。
Cascade はオレゴン州立大学の Haunold 博士(アメリカ農務省にも所属)が育成した品種です。信じがたいことですが、当初の Cascade は華々しいデビューからは程遠く、普及は困難を極めました。最大のユーザーとなるはずのアメリカの大手ビール会社が、このホップを使おうとしなかったのです。
当時のホップ事情は次のとおりです。ホップは大きく、α酸の高いビターホップと、香りのよいアロマホップに分類されていました。ビターホップについては「α酸を高める」という明確な育種目標が設定できます。しかし問題はアロマホップです。
「良いホップの香り」とは何か、「アロマ」とは何か、その定義が不明確だったのです。
当時、チェコの Saaz やドイツの Hallertau Mittelfrüh などが「アロマホップ」として栽培され、大手ビールメーカーに使用されていました。一方、アメリカには相当する品種が存在しませんでした。そこで Haunold 博士は「アメリカのアロマホップを育成する」という挑戦に取り組み、実際に作り出しましたが、その成果は否定されてしまったのです。
連載「博士のホップノート」|第4章 ホップ育種
カスケードの系譜に関しては、業務店様向けに樽製品を先行リリースしております。缶製品の販売は10月上旬を予定しております。
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