THE HOPS JOURNALについて
公式WEBサイトの公開にあわせて、「THE HOPS JOURNAL」というコンテンツを始めます。
まずは、なぜこのジャーナルを立ち上げるのか、そしてどんな内容を綴っていくのかをご紹介します。
私たちGOOD HOPSが醸造所を構えるのは、60年以上にわたりホップ栽培が続けられてきた、日本随一の産地・岩手県遠野市。
この土地で、私たちはビールづくりだけでなく、ホップの育種・栽培・加工、そしてその研究にも日々取り組んでいます。
そうした姿勢は、GOOD HOPSのロゴの下に添えられた “BREW & GROW” という言葉にも込められています。
現在、自社で開発した新品種ホップや海外品種を自社管理の畑で栽培し、収穫後は独自の技術によって加工してから、ビールに使用しています。品種開発から加工、醸造、そして分析・研究までを一貫して手がける体制は、国内でも数少ない取り組みだと考えています。
醸造を開始したのは2025年4月ですが、ホップ栽培や研究はそれ以前から取り組んでおり、すでに4年以上が経ちます。
醸造責任者を務めるのは、元キリンビールの主任研究員であり、“ホップ博士”としても知られる村上敦司。現在は、株式会社BrewGoodの取締役として、私たちと共に研究開発を進めています。
GOOD HOPSができるまでは、主にホップの育種や加工に関する研究が中心でした。
しかし醸造が始まった今、新しいホップの香りを最大限に引き出すためのレシピや醸造工程の設計や、醸造によって香りや苦味がどのように変化するかといった、新たな研究テーマも加わっています。
さらに、醸造の結果をもとに栽培する品種の選定や、加工の工程を見直すなど、プロセス全体を横断する形での研究も動き始めています。
この「THE HOPS JOURNAL」では、そうした日々の試行錯誤や研究の進捗、新しい発見などを定期的に公開していきます。
私たちがこうした情報を発信していくのは、日本産ホップの可能性を、より多くの人に知ってもらいたいと考えているからです。
また、新たな発見があれば、それを飲み手の皆さんはもちろん、国内外の醸造家にも届けていきたいと思っています。
そして何より、こうした挑戦の積み重ねが、今減少しつつある日本のホップ栽培の未来を切り拓くことにつながると信じています。
このジャーナルでは、以下のようなテーマを中心に情報を発信していきます:
- ホップ栽培や収穫に関するレポート
- 新品種ホップの開発状況や、その特徴の解説
- 独自の加工技術と、その検証結果
- 醸造での使用例と工夫、振り返り
- 実験や分析から得られた発見とその考察
- 醸造責任者:村上敦司が執筆したホップに関するコラム
ホップの育種・加工・醸造という一連のプロセスを通して、日本産ホップが持つ価値を深掘りし、可能性を広げていく。
このジャーナルは、その歩みを記録する場所です。
醸造に関わるメンバーの紹介
こうした取り組みを支えているのが、ホップとビール、それぞれの分野で知見と経験を持つメンバーたちです。
最後に、GOOD HOPSの醸造に関わる主なメンバーをご紹介します。
醸造責任者|村上 敦司

株式会社BrewGood 取締役/キリンホールディングス 飲料未来研究所 技術アドバイザー
1988年にキリンビール入社。ホップ品種改良を担当し、「一番搾り とれたてホップ生ビール」などを開発。2000年に農学博士号を取得。2010年にはドイツホップ研究協会の技術アドバイザー(当時世界で6名)に就任。2020年にキリンを退職し、現在はBrewGood取締役として、日本産ホップの研究と実装に取り組む。国内外から注目を集める新品種ホップ「ムラカミセブン」の生みの親。
醸造するホップ農家|神山拓郎

株式会社BrewGood 所属
遠野アグリサポート代表
東京都府中市出身。大学卒業後、健康保険組合で事務職として働く傍ら、2012年から9年掛けて日本全国の醸造所や生産者を訪ね歩き、2020年からは岩手県遠野市でホップ栽培・ビール醸造に従事する。現在は「醸造するホップ農家」として、現場の視点からビールの魅力を発信するとともに、農業の課題解決、若手農家の誘致、持続可能なホップ栽培を目指した仕組みづくりにも取り組んでいる。
アシスタントブルワー|佐竹敏英

株式会社BrewGood所属
高知県中土佐町出身。高専を卒業後に三菱電機株式会社へ入社。兵庫県内の事業所にて約30年間、自動車の安全運転支援や自動運転の研究開発を担当。2022年に早期退職しクラフトビール醸造の世界へ飛び込む。姫路市のコガネブリュワリーで立ち上げと醸造に1年半携わった後、2025年に遠野へ移住。GOOD HOPSにて醸造を担当。
Founder&Producer|田村淳一

株式会社BrewGood 代表取締役/株式会社遠野醸造 取締役
和歌山県田辺市出身。立命館大学法学部卒業後、新卒で株式会社リクルートに入社し、住宅関連の新規事業の立ち上げや法人営業を担当。平成28年に退職し、岩手県遠野市に移住。平成29年に仲間と株式会社遠野醸造を設立し、翌年春にビール醸造所兼レストランを開業。ホップ栽培現場の課題解決や、ホップとビールによるまちづくりの推進、新たな産業創出を目指して、平成30年に株式会社BrewGoodを創業。現在は、遠野ホップ収穫祭の実行委員長も務めている。
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日本産ホップの未来をこの土地からつくっていく。その一歩一歩を記録する「THE HOPS JOURNAL」を、どうぞ今後もお楽しみください。
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